2016年08月16日

欠陥住宅について(損害の種類)

 これまでのページでは、欠陥の内容や責任追及の方法についてご説明しましたので、今回は「損害」の種類について触れたいと思います。

 欠陥住宅問題において、売主や施工者などに損害賠償請求ができるのは、主に以下の項目に限られます。

@ 補修のための費用
A 自宅の修理期間中に別の建物に居住した場合の家賃や引越費用
B 賃貸物件に瑕疵があった場合に本来得られたはずの家賃相当額
C 欠陥の調査・損害賠償請求のためにかかった建築士費用や弁護士費用
D 慰謝料(限定的)

1 補修のための費用(瑕疵補修費用)
 建物に欠陥があった場合に、その瑕疵を補修するための費用が「損害」に含まれることは言うまでもありません。
 
 なお、取壊しや建替費用については、以前はこれらの費用の損害賠償賠償請求は認められないと判示した裁判例もありましたが、最高裁平成14年9月24日判決において、取壊し・建替え費用の請求が認められました。

2 自宅の修理期間中に別の建物に居住した場合の家賃や引越費用
 補修期間中に自宅に住めないような場合には、仮住まいの賃料や、その仮住まいへの引越し費用、補修後の建物への引越し費用等の請求が可能です。 

3 休業損害・逸失利益
  賃貸物件に欠陥があるような場合には、本来ならその建物を賃貸して得られたはずの賃料など、休業損害や逸失利益の請求が可能となります。

4 建築士費用・弁護士費用
  欠陥住宅調査のために建築士による調査鑑定費用が生じた場合や、弁護士を依頼する必要があった場合には、調査鑑定費用についてはほぼ全額、弁護士費用については総額の1割程度が認められるケースが多いといえます。

5 慰謝料
  住宅の取得は、一生に一度の買い物ともいえ、これに欠陥が存在したような場合に、重大な精神的苦痛を被ることは容易に想像がつきます。
 しかし、これまでは、補修費用の支払等によって財産的損害が回復されれば精神的損害も回復されるなどという考え方も存在し、なかなか慰謝料請求は認められてきませんでした。
 最近は、このような考え方から脱却し、欠陥住宅の場合に慰謝料請求を認める裁判例も増えてきていますが、それでも100万円以上の慰謝料が認められる例はあまり多くはありません。

 どのような損害について請求できるかは、具体的な事案によって判断基準が異なることも多く、ケースバイケースです。
 個別のご相談時には、過去の裁判例などに基づいてより詳しいご案内が可能ですので、詳細はお気軽にお問合せください。

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posted by 仙台あさひ法律事務所 at 10:28| 欠陥住宅問題