2018年06月16日

労働審判

「労働審判の申立書が届いたが、どのように対応すれば良いかわからない」
「第1回には代表者だけで出廷して必要そうなら弁護士に頼んでみようかと思う」
「労働審判は訴訟じゃないのだから負けても大丈夫?」

労働審判は、使用者側・労働者側の双方が労働問題を迅速に解決するために、平成18年4月から運用が開始されている制度です。訴訟と同じく裁判所で行う手続きになりますが、訴訟と異なり、裁判官以外にも使用者代表と労働者代表の3名が「労働審判委員会」として審理を主宰します。

労使紛争が訴訟に発展してしまった場合、その解決までには1年近くかかってしまうことは珍しくありません。その場合には、会社の通常業務へ与える影響は大きく、また経済的な負担だけでなく、代表者・担当者にかかる労力・心理的な負担も無視できない大きな問題です。この点、労働審判は3回以内の期日で結論を出す手続になるため、上記負担は訴訟に比べて格段に低いといえます。

もっとも、労働審判の段階で形成された心証は、訴訟にも引き継がれる可能性が高いものです。そのため、労働審判の手続きで裁判官に著しく不利な心証を抱かれた場合には、その後の訴訟での逆転が難しくなり、最終的に会社が不利益を被る結果になりかねません。
こういった意味でも、労働審判は、会社にとって極めて重要な手続きといえるでしょう。

一方、3回という短期間で審判が下されてしまうため、実質的には2回目の期日までに双方の主張・証拠を出し切る必要があり、会社が労働審判を申し立てられた場合には、十分な準備をする時間的な余裕がないことが通常です。
当然ながら、無駄な証拠をやみくもに提出することや、感情に流されて手続きを進めることは慎むべきですし、経験に裏付けされた冷静な対応なくして有利な結果をおさめることはできません。

労働審判への対応を弁護士に依頼した場合には、答弁書の作成や必要な証拠の準備等、会社が十分な主張・立証を行うためのサポートを行います。また、申立を行った労働者への対応だけでなく、波及的に生じるその他の労働者への対処方法など手続内外のアドバイスを受けることもでき、安心して期日を迎えることができます。

労働審判に至る問題が発生した場合には、できるだけ早く弁護士に相談して、効率のいい準備を進めていくことをお奨めいたします。

当事務所では、初回相談料を無料にしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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posted by 仙台あさひ法律事務所 at 13:27| 法人・事業主の方へ(労使トラブル)

明渡し

「借主が荷物を置いたまま行方不明になってしまった」
「家賃滞納が続いているので、早く退去してもらって次の入居者を見つけたい」
「近隣住民とのトラブルが絶えない借主に立ち退いて欲しい」

前回の記事では、「賃料回収」に関する代表的な方法をご説明しましたが、滞納家賃の問題に加えて、このような悩みをお持ちのオーナー様は多いのではないでしょうか。

まれに、家賃の滞納等が発生すれば直ちに契約解除や部屋の明渡手続が可能だと思われている方もいらっしゃいますが、借地借家法など借主の保護を定めた法律があるため、このような場合でもいきなり契約の解除や強制退去等の手続を取ることはできません。
万が一、賃貸人が借主に無断で部屋の鍵を付け替えるなどの強硬手段に出た場合には、最悪のケースとして、逆に借主から損害賠償を請求されてしまう危険すらあります。

とはいえ、賃貸人にとって、「明渡し」は家賃回収と同様に深刻な問題の一つです。
このような事態に陥った場合には、できるだけ早期に退去に向けた働きかけを行い、それでも解決しないときには、速やかに法的手続に移ることが望ましいでしょう。
以下では、「明渡し」に関する代表的な方法をご説明します。

一般的には、「家賃回収」と「明渡し」はセットで捉えられていることが多いですが、厳密に言えば、法的にはこれらは別個の手続になります。

具体的には、「賃料回収」のためには、未払いの家賃があることを証明し、差押えなどの手続を行う必要がありました。
これに対し、「明渡し」では、賃貸借契約が終了したことを理由に退去を求めることになるため、滞納家賃の請求とは別途、以下のとおり賃貸人が契約を「解除」し、必要に応じて「強制執行」の手続を取ることになります。

(1) 賃貸借契約の解除
契約の解除については、賃貸借契約書に解除事由を明記するなど、賃貸人側でも事前の手当てを行っているケースが多いといえます。

しかし、特に借主が部屋を住居として利用しているような場合では、借主が契約書の条項に違反したとしても、裁判所は直ちに賃貸借契約の「解除」までは認めず、結果的に賃貸借契約が継続してしまう場面が存在します。
一例を挙げれば、賃貸借契約書において、「一か月以上家賃の支払いがなかった場合には契約を解除できる」との条項が記載されており、賃貸人が「一か月分の家賃滞納」を理由に契約の解除を主張したようなケースが典型的です。

このような裁判所の考え方は、一般に「信頼関係破壊の法理」と呼ばれており、簡単に言えば、「賃貸借契約のように賃貸人と借主の信頼を基礎として一定期間の継続が予定されているような契約では、借主が契約書等で定めた条件に違反した場合でも、それだけで一方的な契約の解除はできず、違反の内容が当事者間の信頼関係を破壊したといえるほどの状態になっていなければならない」というものです。
賃貸人からすれば、契約書に明記してある以上、借主もそれを分かって契約したはずだと主張したくなりますが、裁判では上記のような考えがなされるため、実務上は違反行為の内容や程度、期間、当事者間の対応など、様々な事情を考慮して「解除」の可否を主張していく必要があります。
そのため、まずは「契約の解除」が認められるかどうかが第一のポイントになり、弁護士もこの点を慎重に見極めたうえで対応しています。

(2) 明渡し
契約の解除について争いがない場合には、次に、借主との間で退去に向けた協議を行うことになります。

この点、話し合いがスムースに進む場合には、期限を決めて借主に退去してもらうことになりますが、仮に借主に引越費用を支払う余力がないようなときは、実務上、早期解決と次の入居者の確保を優先して賃貸人側が一定の費用を負担するケースも存在します。
具体的な対応については、解除の主張が法的に認められるかどうかや、借主の資力の有無、当事者間の交渉内容、もし法的手続に移行した場合のコスト(手続費用の負担やその間の家賃収入を得られないことによる逸失利益)等を考慮して決めることになるため、ケースバイケースの判断が必要になります。

(3) 法的手続への移行
明渡手続についても、賃貸人本人が行うケースと、弁護士が代理人として対応するケースの2通りがありますが、当事者間での話し合いがまとまらない場合には、最終的に以下の法的手続に移行することになります。

この点、賃貸人としては、既に家賃の滞納等で不利益を受けている以上、一刻も早く家を明け渡してもらい、次の入居者を見つけたいと考えるのが当然でしょう
しかし、仮に、裁判所を介さず、賃貸人が一方的に鍵の付け替えや借主の荷物の廃棄などの対応をとった場合には、最悪のケースでは借主から損害賠償請求を受けるリスクもあり得ます。
そのため、所定の法的手続を踏まえて部屋の明け渡しを受けるなど、賃貸人としてリスクを最小限にするための対応が必要になるといえます。

@ 裁判等の提起
明渡しを行うためには、賃料回収の場合と同様に、まずは訴訟を起こして判決(債務名義)を取得する必要があります。

A 強制執行
債務名義を取得した場合には、一定の法的手続を経て、借主に対して明渡しの強制執行(退去の強制)が可能になります。
実務上は、訴訟前には任意に立ち退いてもらえなかった場合でも、判決が出た後、再度の交渉により退去してもらえることがありますが、自主的な退去が期待できない場合には、やはり強制執行の手続きによらざるを得ません。

最終的に強制執行となるケースでは、裁判費用に加えて、執行官に支払う手数料や執行補助者(部屋の中に荷物が残されているような場合に搬出や保管等の手配をする業者)の費用等が発生しますが、その金額は部屋の利用状況などによって変動します。
また、強制執行に先立ち、執行官との打ち合わせや様々な事務手続が必要になりますので、特に不慣れな方の場合には、代理人として弁護士に依頼するケースが多いのではないでしょうか。

B 保全手続
なお、強制執行を確実なものにするために、事前に占有移転禁止の仮処分(部屋の占有が借主から第三者に移らないようにするための手続)を申し立てることもありますが、どの程度の手続を取るかはケースバイケースといえます。

上記のとおり、「明渡し」では、それぞれの手続において、いくつかの重要なポイントが存在します。
弁護士にご相談いただくことで、事案に応じた個別のアドバイスを受けることができ、また、代理人として依頼された場合には、借主との交渉や書類の作成、法的手続において一貫した専門的なサポートが可能になりますので、明渡し問題でお困りの方はぜひご連絡ください。

当事務所では初回相談料を無料にしており、不動産問題について経験豊富な弁護士が親身になって対応しますので、お気軽にご相談いただけます。

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